「パソコンをどこで買う?」となった時に、家電量販店(いわゆる電気屋)を真っ先に思い浮かべる人、実に多いです。
「家電量販店は高いから買ってはいけない。止めた方がいい」
という意見もあれば、
「家電量販店は店員に相談して買えるからオススメ」
という意見もあり、「ぶっちゃけどっちなの?」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
結論から言います。
- 購入前にパソコンの下調べするのが面倒くさい
- 性能の割に割高な(コストパフォーマンスが悪い)パソコンでも構わない
- 相場より高い金額で購入しても気にしない
このような家電量販店にすべてを丸投げしたい人は、家電量販店でパソコンを買ってもOK。後悔することはないでしょう。
しかし、「高性能なパソコンを少しでも安く買いたい」という人には、家電量販店はおすすめできません。
パソコンにあまり詳しくない初心者や高齢者、いわゆる情報弱者の方が、一人で家電量販店に行くのは実は結構危険である…って知ってましたか?
その理由を徹底解説します。
家電量販店でパソコンを買うことに少しでも不安があるなら、ぜひこの記事を読んでみてください。
きっと役に立つはずです。
家電量販店でパソコンを購入するデメリット

まずは、家電量販店でパソコンを買うことのデメリットについて解説します。
デメリットとはつまり、家電量販店で買うのを避けるべき理由になります。
デメリット① 家電量販店のパソコンは性能の割に高い
家電量販店のパソコンが性能の割に高いのは理由があります。
- 家電量販店の立地条件が良いから
- プリインストールされているアプリが多いから
理由1:家電量販店の立地条件が良い
家電量販店の立地を見れば、自ずと答えは出てきます。
大手の家電量販店は、ショッピングモール、都会の駅前・駅直結などいわゆる一等地に出店していることが多いです。
売り場面積も広く、そこには店員の配置も必要。そうなれば当然人件費や光熱費がかかりますよね。
それに加え小売店までの販売経路には、卸などの中間業者が存在し、その分がパソコンの値段に上乗せされているわけです。
理由2:プリインストールされているアプリが多い
プリインストール(予めインストールされている)アプリが多いことも、家電量販店のパソコンが高い理由の1つ。
特に国内メーカーのパソコンには、初心者向けの操作マニュアルや体験版的なアプリが、これでもかというくらい多数インストールされています。
「これだけ入っていると便利ですよ!」なんて説明されますが、実はこれ…ほとんど使わないんですよね。
使わないアプリがインストールされることでパソコンの値段が高くなり、動作も遅くなる。購入者にとって良いことがありません。
デメリット② 選択肢(選べるパソコンの種類)が少ない
店舗によって異なりますが、取り扱いメーカーや機種のバリエーションが乏しく、偏りが見られます。
取り扱いメーカーは、NECや富士通といった国産メーカーが多く、Lenovo(レノボ)やHP(ヒューレット・パッカード)
などの海外メーカーは少ない傾向にあります。
また、新聞の折込チラシを見て頂ければわかりますが、CPU:Celeron、メモリ:4GBである機種が多いです。
安さを売りにしているのかわかりませんが(決して安くはない)、Celeronの性能は基本的に低く、メモリも4GBでは何をするにもストレスを感じるため、正直オススメできません。
CPUをはじめパーツの性能(スペック)について、もう少しくわしく知りたい方は以下の記事が参考になります。
>>パソコンの基本スペック(CPU、メモリ、ストレージなど)について超わかりやすく解説

デメリット③ 自分のノルマ達成のことしか考えていない店員がいる
客のニーズに対して最適なパソコンを提案してくれる店員ばかりだといいのですが…現実はそうではありません。
よくあるのが、以下の4つです。
- 必要以上に高性能なパソコンをオススメしてくる
- 必要以上に高性能・不要な周辺機器を購入させようとする
- 余計なアプリを購入させようとする
- オトクと偽りインターネット回線を契約させようとする
それぞれみていきましょう。
1:必要以上に高性能なパソコンをオススメしてくる
これはあるあるですが、家電量販店の店員の多くが海外メーカーを否定し、国産メーカーの高単価なパソコンをおすすめしてきます。
NECや富士通、パナソニックなど国産メーカーのパソコンの価格は非常に高いです。海外メーカーの方が、圧倒的にコストパフォーマンスは高いんですけどね…。
つい先日も、会社の同僚の母親が某家電量販店にパソコンを買いに行ったところ、富士通の高性能ノートパソコンを購入。価格は12万円とのこと。
用途ですか?年賀状作成です。
2:必要以上に高性能・不要な周辺機器を購入させようとする
代表的なものがプリンタです。
高齢者がパソコンを購入する理由の一つに年賀状作成がありますが、年賀状作成に高性能なプリンタは不要。
最近のプリンタの進化は素晴らしく、1万円程度のものでも、一昔前とは比較にならないほど性能が上がっています。
あえて何万円もするプリンタを買う必要はありません。
またプリンタをはじめ、マウスやキーボードなど他の周辺機器についても、インターネット通販と比較して、家電量販店の方が値段が高い傾向にあります。
これは先ほどお話しした「家電量販店の立地条件」の影響ですね。
3:余計なアプリを購入させようとする
例えばMicrosoft Office。
仕事で使うならマイクロソフト純正のオフィスが必須ですが、パソコンを使う全員が必要かというと、そうではありません。
プライベートでちょっと使うくらいなら互換ソフトのWPS Officeでも十分ですし、Googleが提供する無料のアプリ(ドキュメント、スプレッドシート、スライド)を使っても全然OKです。
とはいえ、Microsoft Officeは純正だけあって完成度は1番。使っている人も多く、何かわからないことがあってもすぐ調べられるのは大きいため、まあ良しとしましょう。
特に問題なのはセキュリティソフトですね。
過去には有料のセキュリティソフトが必要だった時代もありましたが、今は不要。Windowsに標準で搭載されている「Windows Defender」があれば十分です。
未だに「有料のセキュリティソフトじゃないと危険」と煽ってくる人は、情報がアップデートされていないので注意してください。
パソコンのセキュリティについて知りたい人は、以下の記事が参考になります。

4:インターネット回線を契約させようとする
パソコンを買うと同時にインターネット回線の契約も勧めてきます。
確かにパソコンを買っても、インターネットに接続できなければ意味がありませんので、この事自体は至って普通です。
ただ、インターネット回線を家電量販店で契約するメリットはほぼありません。
昔は家電量販店の実店舗でも、高額なキャッシュバックやパソコンのセット割引などが行われていましたが、今は規制によりかなりショボくなってしまいました。
現在もキャッシュバックのキャンペーン自体は続いているものの、以前の半分以下にまで金額が安くなっています。
また、キャッシュバックも現金ではなく商品券やポイントであるため、使用用途が限られてしまいます。
以上からインターネット回線は、家電量販店ではなくネットで契約した方が、間違いなくオトクです。
5:不要な設定代行を勧めてくる
「ご自身で設定するのが難しければ代行します」とパソコンの設定サービスを勧めてくる店員もいます。
これ自体は至って普通のサービスですが、問題はその金額。
サービス内容 | 金額 |
---|---|
初期環境設定 | 4,000円 |
リカバリディスク作成 | 10,000円 |
リカバリUSB作成 | 3,000~6,000円 |
デスクトップ最適化 | 2,000円 |
スタートアップ最適化 | 2,000円 |
壁紙変更 | 1,000円 |
アプリのインストール | 3,000~4,000円 |
Officeのインストール | 4,000~6,000円 |
アプリのアンイストール | 1,000~3,000円 |
Windowsアップデート | 3,000~6,000円 |
アプリのアップデート | 2,000円 |
上の表は初期設定代行サービスの一例です。設定代行費用は無料ではなく、ちょっとしたものでもかなりの金額になります。
OSのアップデートからOfficeのインストール、リカバリメディア作成など、いくつか頼んだだけで普通に数万円になりますから、注意してくださいね。
例えば、リカバリメディア作成の料金は家電量販店により異なりますが、「3,000~6,000円+USBメモリ代金」くらいかかります。
しかし、当サイトの以下の記事を読みながら作業して頂ければ、USBメモリの代金(約1,000円)だけで作成可能です。
>>【図解】Windows 10、11のリカバリーUSB(回復ドライブ)の作成方法

設定代行サービスを全否定するわけではありませんが、壁紙の変更で1,000円払うのはちょっとどうかなと…。
スマホで「壁紙 変更」とGoogleで検索すれば、答えはすぐ出てきますからね。
ただでさえ割高なパソコンに設定代行料金が加わると、とんでもない金額になるのは想像できると思います。
ニュースでも報道された「PCデポ」問題~高齢者や情報弱者が食い物に
このような家電量販店の問題は、今に始まったことではありません。
2016年にも「高齢者を食い物にして荒稼ぎしている」と、テレビやニュースでも話題になりました。
当時の騒動を簡単にまとめます。
厳しいノルマを課せられた社員が、80歳代の認知症を患った高齢者に対し、パソコンやスマートフォン10台分のサポート契約を結ばせ、月に15,000円支払わせていた。
おかしいと思った息子が、解約しようと店舗に行ったところ、解約手数料として10万円の支払いを求められた。
パソコンとスマートフォン2台分のサポート契約ならまだしも、10台分のサポート契約…本当にありえないですよね。
自分のノルマ達成のために、使いこなせない最上位機種を購入させ、知識がない・わからないことをいいことに、不必要な契約を結ばせる。
挙げ句に社長は「社員一人ひとりにノルマはない」と言う始末。とんでもない話です。
以前より減っているとは思いますが、気をつけるようにしてくださいね。
家電量販店でパソコンを購入するメリット

ここまで家電量販店のデメリットについて解説してきましたが、家電量販店にもメリットはあります。
メリット① 実物を見て触って納得した上で購入できる
CPUやメモリといったパソコンのスペックについては、そのまんまの意味です。
同じパーツであれば、インターネット通販であろうと実店舗だろうと性能は変わりません。
しかし、デザインや色、キーボードの打ちやすさ、モニタの明るさなど感覚的なものについては、実際に届いてみないとわからない部分が大きいです。
特にキーボードの打ちやすさとモニタの明るさは非常に重要です。
キーボードは使い続けるうちに慣れることが多いですが、どうしても合わないことも。そうなるとタイプミスが増え、作業に支障を来す可能性があります。
モニタにはグレア(光沢)とノングレア(非光沢)の2種類のタイプがありますが、人によってはグレア液晶だと眩しすぎて目が疲れる場合があります。
家電量販店では、見た目や手にした時の感触、重量、キーボードの打ちやすさ、モニタの明るさなどを実際に確認し、納得した上で購入できるのはメリットと言えます。
メリット② 店員に相談できる
これは相談する店員の質が高いことが前提です。
質が高い店員とは、パソコンの知識があり、客のニーズに対して最適な提案ができる店員のこと。
予算や使用目的を伝えることで、店内に在庫してあるパソコンの中から、あなたに合った最適なパソコン、サービスをオススメしてくれます。
このような店員ばかりなら、家電量販店もおすすめできるんですけどね。
悲しいかな自分のノルマを達成するために、必要以上に高性能なパソコンを売りつけようとする輩がいるのは残念でなりません。
メリット③ 買ったその日から使える
店や機種、購入した時刻によっては翌日以降の配達になる場合もありますが、店頭在庫があり自分で持って帰れる場合は、その日から使用できます。
インターネット通販の場合、即納モデル(組み立て済みのパソコン)だとしても、場所によっては数日はかかる場合もあり、とにかくすぐに使いたいという人にはメリットです。
パソコンの価格はネット通販(メーカー直販サイト)の方が圧倒的に安い

家電量販店で買わない方がいいのはわかったけど、じゃあどこで買えばいいの?
当然そのような疑問が浮かぶと思います。
新品のパソコンを安く買いたい人におすすめなのが、メーカー直販サイトです。同じパソコンでも、家電量販店よりメーカー直販サイトの方が間違いなく安く購入できます。
というより、メーカー直販サイトの価格が、そのパソコン本来の適正価格と考えていいでしょう。
家電量販店の場合、プリインストールされたアプリや人件費、光熱費などがパソコンの金額に上乗せされているため高い、というわけです。
メーカー直販サイトのオススメを以下の表にまとめました。
メーカー | 特徴 |
---|---|
HP(ヒューレット・パッカード)
| 2022年世界シェア2位。シンプルながら洗練されたデザインとコストパフォーマンス、手厚いサポートが人気。 |
2022年世界シェア1位!打ちやすいキーボード、マウス不要のトラックポイントが搭載されたThinkPadシリーズが人気。管理人も現在LenovoのThinkPad X1 carbonを使用。 | |
DELL(デル) | 2022年世界シェア3位。非常にコストパフォーマンス高く、ハイスペックなパソコンを安く購入できます。 |
世界シェア1位のLenovo、2位のHP、3位のDELLについては、いずれもコストパフォーマンスが抜群であり、どれを選んでも後悔する可能性は低いです。
クーポンを使用することで、更に数万円安くなることもありますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
まとめ
家電量販店にはメリット、デメリットいずれもあります。
これらを踏まえた結果、パソコンのベストの買い方は以下になります。
- 見た目や手にした時の感触、重量、キーボードの打ちやすさ、モニタの明るさなどを家電量販店で確認
- 価格が安いインターネット通販(メーカー直販サイト)で買う
- オフィスソフトは仕事で使用しないなら互換製品でOK、Googleの無料アプリでも十分
- インターネット回線は自分で申し込む方がオトク(キャッシュバックの金額が大きく現金)
「ネットで確認できない部分」は家電量販店で確認し、パソコン自体は「値段が安い」インターネット通販(メーカー直販サイト)で購入するのがベストです。
オフィスソフトについては、お金に余裕があるならMicrosoft Office、ないならGoogleの無料アプリを使う。
インターネット回線は、家電量販店よりもネットで申し込んだ方が数万円オトク。しかもポイントや商品券ではなく現金でキャッシュバックを受け取れる。
この方法で、自分の求めるスペックのパソコンを安く手に入れることができます。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
メーカー直販サイトよりも安く買いたい人には中古パソコンがオススメ

パソコンは家電量販店よりも、Lenovo(レノボ)などのメーカー直販サイトで購入することで、数万円安く購入できますが、
- もっとパソコンを安く買いたい
- でも性能も譲れない
このような欲張りな人にオススメなのが中古パソコンです。
中古パソコンと聞くと、
- 傷だらけ
- 汚い
- すぐ故障する
なんてイメージを持っている方がいるかもしれませんが、それは過去の話。
今は安くて高性能が当たり前。購入する場所をきちんと選べば、キレイでハイスペックなパソコンを安く購入できます。
管理人が利用して、本当に信用できる中古パソコン専門店を厳選しました。驚くほど安いのでチェックしてみてください。
家電量販店でも中古パソコンが販売されていることが実店舗よりもコストパフォーマンスに優れ、保証が充実しているネットショップについて、以下の記事でくわしく解説しています。
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