「Windows Vista」は「Windows XP」の後継として誕生したマイクロソフトのOSです。
Windows Vistaは「Aero」などデザインや機能の一部は革新的であった一方、リリース後は多くの問題があり、当時の評判は正直厳しいものでした。
Windows Vistaの全サポートは2017年に終了しており、現在はネットに接続するなどの動作は推奨されていません。
しかし、StatCounter Global Stats – Windows Version Market Shareを見ると、一部(0.13%)では未だに利用されているようです。
この記事では、Windows Vistaに関する以下について解説します。
- Windows Vistaの名前の由来
- Windows Vistaの特徴
- Windows Vistaの評判
- Windows Vistaのメリットとデメリット
Windows Vistaの名前の由来とは?
「Vista」はスペイン語やイタリア語で「眺望」「景色」を意味しますが、これはWindows Vistaで新たに導入されたインターフェースである「Aero」を象徴しています。
また開発段階では「Longhorn」というコードネームでしたが、リリースに当たり、新しいビジョンと方向性を示す名前が求められました。
そこで「混乱を解消し、あふれる情報を整理し、未来を垣間見せる」をコンセプトに、それまでのWindowsとは一線を画す新しい”景色”や”ビジョン”をユーザーに提供したい、そんな意図があり「Windows Vista」と命名されました。
Windows Vistaの特徴は?
Windows Vistaは、マイクロソフトが2006年にリリースしたオペレーティングシステム(OS)です。
2006年11月30日にボリュームライセンス契約(企業や教育機関などで一度に大量に導入すること)で先行導入され、2007年1月30日に一般的に向けに販売されました。
Windows VistaはWindows XPの後継として発売され、Windows 7の前に位置するバージョンのOSになります。
ただ古いOSということもあり、今では中古パソコンショップでWindows Vistaがインストールされたパソコンを見かけることは少なくなりました。古いジャンクPCでたまに見かける程度ですね。
Windows Vistaの代表的な特徴をご紹介します。
1:Aeroインターフェース
Windows Vistaでは「Aero」という新しいグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)が導入されました。
半透明なウィンドウボーダーや3Dエフェクトなど、より洗練されたデザインが特徴となっています。
2:User Account Control (UAC)
セキュリティを強化するために導入されたのが、ユーザーアカウント制御(UAC)です。
「管理者権限が必要な操作を行うときには確認ダイアログを表示する」ことで、不審なアプリケーションが勝手にシステムを操作するのを防ぐことができます。
3:Windows Defender
「Windows Defender」が標準装備され、パソコンのセキュリティが向上したことで、マルウェアやスパイウェアから守るサポートが強化されました。
4:バックアップとリストア
Windows Vistaには、ユーザーのファイルやシステムのバックアップ・復元をサポートする機能が強化されています。
データの紛失やシステムのトラブルから簡単に回復できるため、安心して使用できるようになりました。
Windows Vistaの当時の評判は?
「最悪」とも言われたWindows Vistaの評判ですが、実は初期と後期では全然異なります。
発売当初はVistaに対する期待が高かったこともあり、とにかく評判は悪かったです。
- システム要件が高すぎる!
- 導入コストが高い!
- UACが毎回出てきてウザい!
- ドライバやソフトウェアの互換性がない!
「Aero」を動作させるには高性能なパソコンが必要でしたし、そうなると当然買い替えでコストもかかります。
UACもパソコン初心者にとってはいいかもしれませんが、ある程度くわしい人からしたら邪魔以外の何物でもありません。
そして互換性の問題。Windows Vistaのリリースに合わせてドライバやソフトウェアが用意されていなかったことで、周辺機器が正常に動作しないことがありました。
ただマイクロソフトも放置せず、アップデートを繰り返したことで問題の多くは改善し、市場における評価も少しずつ回復していった経緯があります。
【注意】Windows Vistaはサポート終了のためネット接続はNG!
OS | メインストリームサポート終了 | 延長サポート終了 |
---|---|---|
Windows Vista | 2012年4月10日 | 2017年4月11日 |
Windows 7 | 2015年1月13日 | 2020年1月14日 |
Windows 8、8.1 | 2018年1月9日 | 2023年1月10日 |
Windows10 | 2022年5月10日 | 2025年10月14日 |
windows11 | 未定 | 未定 |
Windows Vistaのサポートは、2017年4月11日で終了しています。
OSのサポート終了後はセキュリティのアップデートが行われないため、今Windows Vistaがインストールされたパソコンを使用するのは非常に危険です。
個人情報が抜き取られたり、フィッシング詐欺などにあいたくないですよね?
Vistaに限らず、サポート期間が終了したOSがインストールされたパソコンを使用するのは避けましょう。
あとたまに勘違いされている方がいるのですが、OSの脆弱性はセキュリティソフトでは防げませんので注意してくださいね。
Windows Vistaを使用するメリット
今Windows Vistaを使用するメリットはほぼゼロですが、しいて挙げれば…
- インターネットに接続せずオフライン限定、USBメモリなどを接続しないなら使える
- Windows7以降で利用できないソフトウェアが使える
これくらいでしょうか。
ネットはもちろん、USBメモリやストレージも接続NG。この条件で使い続けるメリットはほぼないでしょう…。
Vistaの後継のOSである「Windows 7」発売当時であれば、OSを安く購入できるというメリットもありました。
しかし現在マイクロソフトのサポートが継続しているのはWindows10と11だけ。今使用するならこの2つのOS以外の選択肢はありません。
Windows Vistaを使用するデメリット
セキュリティリスクが高い
先ほど「Windows Vistaのサポートは終了しているためネット接続はNG」の部分でも触れましたが、WindowsVistaの最大の問題はセキュリティです。
Windows Vistaは2017年4月11日でサポートが終了しており、今後新しいセキュリティアップデートやパッチが提供されることはないため、新しいマルウェアやウイルスに対する防御策がありません。
感染リスクが非常に高いため、今あえてWindows Vistaを使用するのはリスクでしかないですね。
システム要件(動作するための必要最小限のスペック)が高かった
要件 / エディション | Windows XP Home | Windows XP Professional | Windows Vista Home Premium | Windows Vista Business | Windows Vista Ultimate |
---|---|---|---|---|---|
CPU | Pentium 233 MHz以上 (推奨: Pentium 300 MHz以上) | Pentium 233 MHz以上 (推奨: Pentium 300 MHz以上) | 1 GHz 32ビット (x86) または 64ビット (x64) プロセッサ | 1 GHz 32ビット (x86) または 64ビット (x64) プロセッサ | 1 GHz 32ビット (x86) または 64ビット (x64) プロセッサ |
RAM | 64 MB以上 (推奨: 128 MB以上) | 64 MB以上 (推奨: 128 MB以上) | 1 GB RAM以上 | 1 GB RAM以上 | 1 GB RAM以上 |
ハードディスクの空き容量 | 1.5 GB以上 | 1.5 GB以上 | 40 GB以上 (15 GBの空きディスクスペース必須) | 40 GB以上 (15 GBの空きディスクスペース必須) | 40 GB以上 (15 GBの空きディスクスペース必須) |
グラフィックス | Super VGA (800 x 600)以上 | Super VGA (800 x 600)以上 | DirectX 9 グラフィックスプロセッサとWDDM 1.0以上のドライバ | DirectX 9 グラフィックスプロセッサとWDDM 1.0以上のドライバ | DirectX 9 グラフィックスプロセッサとWDDM 1.0以上のドライバ |
その他の要件 | DVD-ROM ドライブ | DVD-ROM ドライブ | DVD-ROM ドライブ | DVD-ROM ドライブ | DVD-ROM ドライブ |
システム要件が高くて問題となったのは、Windows Vistaリリース時のことです。
Vistaを使用するにはXPと比較してかなりのスペック(性能)を要求されたため、XPで使用していたパソコンにVistaをインストールすると、動作が遅くなったり、一部の機能が使えないなどの現象が多発したんです。
ただこれはVistaに限らず、普通に考えれば当たり前の話であり、パソコンの性能さえ十分であれば快適に動くOSだったんです。
実際中古のパーツで自作したパソコンにVistaをインストールしましたが、普通に快適に使えましたからね。
中途半端なスペックのパソコンにVistaをインストールして販売したメーカーも悪いですよ。当時Vistaは叩かれまくってたのでちょっと気の毒でした。
ソフトウェアやドライバの互換性に問題があった
この互換性についてもWindows Vistaリリース時の問題です。
Vistaが新しいドライバモデルを導入し、セキュリティと信頼性を向上させるために多くの変更を加えたことで、ハードウェア、ソフトウェアベンダーがVistaに対応するのに苦労しました。
マイクロソフトがアップデートを定期的にリリースすることで、徐々に互換性の問題は解決していきましたが、Vista発売当時はそれはひどいものでした。
確かにVistaには色々問題はありましたが、これがあったからこそ、後のOS開発に生かされ、今のWindowsがあると言っても過言ではありません。
まとめ:Windows Vistaを使い続ける理由は”ほぼ”ない
Windows Vistaはサポートが終了しているため、セキュリティリスクが高く、インターネットに接続できません。
どうしてもVistaでないと動作しないソフトがない限り、Windows10または11に乗り換えるのが望ましいといえます。
もし「新品のパソコンを買うのが予算的に厳しい」という方は、中古パソコンを検討してみてください。
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