今回はLinuxの中でも軽いディストリビューションである「LinuxBean(リナックスビーン)」についてお話していきます。
中古のノートパソコン、特に2000年代に発売されたノートパソコンを利用したいとお考えの方は、この記事を参考にLinuxBeanの導入を検討してみてください。
”古い”ノートパソコンにこそLinuxBeanはおすすめ
2000年代に発売された古いノートパソコンは、そのままの状態で使用するのは非常に厳しいです。
メモリやハードディスクの容量が少ないことに加え、OS(WindowsXP)のサポートも終了しており、インターネットに接続することもできないからです。
サポートが終了したOSにはセキュリティパッチが配信されなくなるため、ウイルスに感染する危険性が激増しますからね。
とはいえ、現行のOSであるWindows10や11を導入しようと思ってもシステム要件を満たしていませんし、無理やりインストールしても動作が重すぎて使い物にならないのは目に見えています。
Windowsは無理…となった時に選択肢として挙がるのが、無料のOSであるLinuxです。
Linuxは機能を必要最小限に絞ったOSであり、非常に軽量なのが特徴ですが、「主流であるUbuntuでもこのパソコンのスペックだとちょっと厳しいかな…?」という時におすすめしたいのが、今回紹介するLinuxBeanです。
とにかく軽量の国産LinuxOS「LinuxBean」
LinuxBeanは、日本人のAzumaTakemasa氏が開発したUbuntu派生のLinuxディストリビューションです。
従来のLinuxディストリビューションが英語主体であったのに対し、LinuxBeanは日本語に対応しています。日本語化するための特別な設定が不要なのはうれしいポイント。
そして、LinuxBeanはとにかく軽い。
LinuxBeanは、メモリがおよそ400MB程度あれば動くため非常に軽量なOSです。メモリが512MB〜1GB程度しか搭載されていないパソコンであっても、快適に動かすことができます。
レイアウトもWindowsXPに近い感じで、初心者の方でもそこまで違和感なく使用できると思います。
先ほど震度7の地震に襲われ、家屋内のあらゆるものが散乱している状態です。
— #!/tmp/aztake (@AzumaTakemasa) April 14, 2016
とりあえずライフラインやPC、インターネット接続環境に関しては無事です。
現在も余震が続いておりますが、とり急ぎ。
ちなみに開発者のAzumaTakemasa氏ですが、2016年の熊本地震に被災されたようで、その後ツイッター(X)の更新やLinuxBeanの更新は止まっています。
AzumaTakemasa氏の公式サイト(https://ja.osdn.net/projects/linuxbean/)はアクセスできなかったのですが、有志の方が以下にアップロードされていますのでご紹介します。
>>舞台袖 ubuntu 12.04/14.04 LTS派生の軽量・高速ディストロ作ったよ!
これとは別に、作者が復帰するまでのつなぎとして、Linux Bean16.04(32bit)を公開されていた方がいましたが、現在ダウンロードできなくなっていますので、こちらは記載しないでおきます。
LinuxBeanのおすすめソフト~意外とWindowsのソフトが使えます
Windowsの有名どころはLinux Beanでも結構使えます。ここではWindowsでもおなじみのソフトをメインにピックアップしてみました。
オフィス関係
インターネットブラウザ
メーラー
画像編集
音楽再生
動画再生
オンラインストレージ
見て頂けるとわかるように、LinuxBeanでもインターネットに接続できますし、Office文書の編集も行えます。例えばOfficeは、Libre Officeというフリーソフトで対応可能です。
ソフトのインストールは「LinuxBean設定ウィザード」から行います。
デスクトップ上の「LinuxBean設定ウィザード」のアイコンをダブルクリックすると起動するので、必要なソフトにチェックを入れてOKをクリックすれば完了します。
一覧にはないソフトやうまくいかない場合は、「Synaptic パッケージマネージャ」を利用してインストールしましょう。
画面レイアウトもWindows寄りですし、使い慣れたソフトが使えるので、Linux BeanはLinux初心者の方にもオススメですね。
LinuxBeanのインストールはCD-R1枚でOK!
UbuntuやWindowsの評価版などをパソコンにインストールするためには、基本的にDVD-Rが必要となります。容量が大きいためですね。
しかし、LinuxBeanであればCD-R一枚で十分です。iTunesなどに取り込んだCDを車などで聞くためにCD-Rに焼く習慣がある方であれば、たくさん余っているのではないでしょうか。
>>舞台袖 ubuntu 12.04/14.04 LTS派生の軽量・高速ディストロ作ったよ!
まずはこちらのサイトにアクセスします。
赤枠の部分をクリックします。
ダウンロードしたISOファイルをCD-Rに焼きます(ディスク イメージの書き込み)。あとは光学ドライブにCD-Rをセットして起動すればOK。
必要に応じてBIOS画面を開き、起動メディアが対象になっている(優先順位が1番目になっている)ことを確認してください。
LinuxBeanでも駄目ならPuppy Linuxを試してみよう
LinuxBeanですら要求スペックが合わない低性能のパソコンを再生するのであれば、Puppy Linuxのインストールをおすすめします。
Puppy Linuxは、メモリが256MBもあれば動かせるため、よほど古いパソコンでない限りは大丈夫だと思います。
Puppy Linuxでも厳しい場合は、諦めて別のパソコンを購入した方がいいかもしれません。
こちらの記事にPuppy Linuxについて簡単にまとめていますので、興味がある方はご覧になってください。
>>Puppy Linuxは古い低スペックPCでも快適に動作する軽量OS